サム・マイケル VS エディ・ジョーダン  ちょっと懐古主義

BMWの離脱によりメーカーの後ろ楯を失ったウィリアムズに対し、エディ・ジョーダンが「このままではウィリアムズもジョーダンの二の舞になる」とコメント。


これに対しウィリアムズのサム・マイケルが反論…「フランクは別荘もクルーザも持っていない。フランクは自らF1に投資している、フランクもパトリックもポケットに小銭があればそれをレースに使う人種。ジョーダンとは違う」


まぁ、そうなんですけどね…しかし、サム・マイケルは気付いているのかもしれない…チームに私財を投入する事がチームの発展につながらない事を。


実際にBMWの離脱のみならずHPも契約終了し、バトンやニックの契約を売り、サード・ドライバーはペイ・ドライバーなりそうな現状。しかも、ウィリアムズは最近CFD主体の空力開発の印象があるがCFDそのものはHPのバックアップが在ってこそ維持できていたはず…(もっとも、CFD主体の空力開発って事こそ、まだ早過ぎる気がするけど…)


事実、私(達)は知っている。レースに私財を投げうって、財政ピンチの際には自らトランスポータのドライバーまでやった名伯楽を…そして、そのチームはどうなったかを。


そのチームは、現在のBARの前身であるティレル…70年代はジャッキー・スチュアートがチャンピオンを獲得し、70年代は常にフロント・ランナーとして活躍。


6輪のP34やドルフィン・ノーズの019、エックス・ウィング等のマシンでも話題を呼んだチーム。特に日本では、まず76年、ただでさえ奇異な6輪マシンで人気なのに"F1 in Japan"では、マシンにひらがなで「たいれる」とロゴを入れ、それに田宮のプラモ化でさらに人気が上がったように思える。そして、中嶋、右京や虎之介が乗った事で馴染み深い。


もともと木材の卸業で財を成しただけあって、チームの財政縮小の為にヨーロッパ内のチームの移動の際には自らトランスポータを運転したという逸話もあります。


もっとも、最終的にチームを売却した際にはかなりの財を得たらしく、寂しくもあったけどそのおかげで晩年は豊かな暮らしぶりだったとの噂はちょっとうれしくもあったと記憶しています。


しかし、時流に乗り遅れたチーム運営で終わってしまった…最近のウィリアムズを見るとティレルとダブってくるんだよね…


っていうか、温故知新…話を現代に戻してみる…


BARがホンダ100%、ザウバーBMWに買収ずみ、ルノーは既にベネトンを吸収。フェラーリトヨタは基より自動車メーカーがオーナ。また、マクラーレンはベンツの市販車の一部をマクラーレンで生産するなどかなり資本・組織的に有機的な繋がりがあり既に独立したチームとは思えない…とすると10(11?)チーム中6チームが自動車メーカー傘下のワークス・チームであり、通常のレースで優勝できる見込みのあるのもこの6チーム…


ウィリアムズは2005年まではBMWのワークス・エンジンの供給を受け、エンジン以外も共同開発をしていたがあくまでもBMWの資本などは受けずにいた。

※F1雑誌等ではウィリアムズをワークスと表現している物があり、いまのF1では「ワークス・エンジン」を使っているチームをワークス・チームと表現し、カスタマー・エンジンを購入しているチームをプライベータとして別けていることが多いようです。確かに、2005年のウィリアムズはプイラベーターというには規模が大きすぎますからね…。ただ、私的にはウィリアムズはやはりプイラベーターと思っています。


では、なぜウィリアムズがチームを買収されないまでも、自動車メーカーから資本提供を受けなかったか…マクラーレンのように自動車メーカーと提携しバックボーンを厚く持つ事は可能だったはず…


それには、当然・鉄の人フランク・ウィリアムズのレーサー魂というか独立チームとしてのプライド故ですが、それ以前に70年代にデ・トマソやウルフとの確執(こちらについての記事は本館に在ります→http://homepage1.nifty.com/ken2mng/MiniCar/43F1/f1_willams.htm)。そして、80年代のホンダと影響が、トラウマとなり第3者の資本導入を拒否しているとも考えられます。


実際にBMWからウィリアムズへの資本参加の申し出はあったらしいですがウィリアムズがすべて断ったようです。


ちなみに、ウィリアムズが90年代にチームを株式化する際にフランクとヘッドが発起人となる時に、当時ウィリアムズでデザイナーをしていたニューウェイも発起人として参加したい旨を申し出るが二人に断れ、それがきっかけでチームを離脱したとも言われています。


私(私のみならずモータースポーツを愛している人なら)は、このフランクの姿勢に共感ももてるし応援もしたいはず…ですが…先の6チームと他のチームを比べればワークスか否かと成績の関連は明らかでウィリアムズは成績的にも中間に位置しているんですね・・・


時流的にはエディの言っている事の方があってる可能性は大だなぁ…フランクがこれ以上時代に迎合したチーム運営をするのを
見るのも嫌だけど、ウィリアムズが消えるのはもっと嫌だなぁ。