バトン問題を考えてみた

私は、常々F1を始めとするレーサーはスポーツマンと考えていたんだけど…違うみたい…スポーツマンシップってF1には当てはまらないようだから…


う〜ん。前々から考えていたのは、ウィリアムズが意地を張ってバトンを乗せても、いやいやチームにやってきたドライバーを乗せてお互いのモチベーションはあがらず、チームのスタッフもバトンに対して公平な対応が取れるだろうか?

さらには、BMWが離脱し一気に経済面でのダウンが余儀なくされたウィリアムズに、BARの異常とも思える高値買取は多いな魅力…

って点から考えるとウィリアムズとしては美味しい話だったと思えるんだよね。


でも、ちょっと寂しいな…気骨の人で知られるサー・フランクはバトンに対して筋を通すって事を見せて欲しかったな…
ちなみに、ニックのBMW移籍も、ウィリアムズ保有のオプションを行使し、ニックと2006年の契約をした形にしてから、その契約をBMWへ売却しているらしい…ウィリアムズには、そーゆーのして欲しくなかった…


で、歴史的に…古来、F1での契約の買取は多々あった。有名な所では…

・アレジ
 ティレル→ウィリアムズ フェラーリがウィリアムズから強引に買い取り(一説にはフェラーリは当時のマシンを一台ウィリアムズに提供したと言われています。当時のF1でオートマの初期でこの方面ではフェラーリが実戦投入の元祖で他チームより進んでいた)
 *翌91年後半からFW14の快進撃が始まり92年にはFW14B+マンセルが圧倒的な強さを見せチャンピオン…対してフェラーリはマシン名やカラーリングで験を担ぐという事まで始める状態…ってことで失敗


アーバイン
 ジョーダン→ジョーダン(契約更新) フェラーリがシューミのNo2にエディを選び契約をジョーダンから買い取る
 *ジョーダンでデビューし速さは見せていたが上位チームのシートは埋まっていた状況での抜擢、No2にあまんじロン・デニスから「魂を売った」とか「犬」よばわりされるも1999年は怪我のシューに変わりハッキネンとチャンピオンを争い、ジャガーのエースとなる…って事で成功


・ミハエル
 ジョーダン・デビュー ベネトンがシューミの契約を買い取り
 *当時上り調子のベネトンで安定した強さを見せて94・95年にチャンピオン、そして、その時のシュー+ブラウン+バーン体制をそのままフェラーリへひきつぎ2000年以降の成功を見る…って事で大成功


ってところかな、同一人物が2年で同じチームでゴタゴタってはちょっと記憶に無い…


では、今回の主役…バトンは悪いドライバーではないと思う(あくまでもレースでの話し)…が…


今回の契約買取の噂は、報道によってまちまちだけど40〜50億円くらいに落ち着いてきている。
これに、バトンとBARの契約金が20億円程度と言われている。
噂の範疇の低めで見積もってもバトンの契約にBARが使った金額は安くても50億以上…そこまでの価値はあるのだろうか???


シューミが年間40億以上と言われ、ラルフで20億前後、他の優勝経験もしくは同等のレーサー達は10億円程度と言われてる中で、今回のは契約額だけでも未勝利レーサーとしては破格の金額…


それでも、速さとルックスではF1でも屈指…では、彼にチームへの忠誠心はあるのか?
去年、上り調子のBARを無視しウィリアムズへ移籍しようとした彼(もし、移籍が成功していたら今頃彼は????)
そして、去年そこまで移籍を切望し、自分をF1のグリッドに導いてくれたウィリアムズに対して契約を破棄して我侭を通した。


万が一2006年、BARとウィリアムズのポジションが逆転し、今年の上位チーム(フェラーリマクラーレンルノートヨタ)が今年の調子を維持してバトンへ接触したらどうするのだろう…。

もし、それでバトンが移籍を希望したら、はっきり言って今年の契約買取金額はドブ…


では、今後バトンを望むチームはあるのだろうか…?

・ウィリアムズ
 まず、もう断絶と考えるのが普通だけど…かつて、耐久時代のザウバーを見限ったフィレンツェンがF1で復縁した例もあるけど、フランクやヘッドの人となりから考えればまず無いだろうと思われる…二人ともチームから去らない限りは無いでしょうね


フェラーリ
 実は意外とここが一番可能性があったっりして…もちろん、シューミが引退したとして、更にはそれまでに優勝経らって条件付だけど。シューミが現役の間は2ndにあまんじれるドライバーじゃなきゃ…ただ、シューミがいる間は2ndでその後1stってならあるかも、でもシューミを継ぐのならなおさら優勝が必須かな?


マクラーレン
 むずかしいなぁ…ロンはライコネンを溺愛しているし、モントーヤだって契約後に2004年前半の低迷したマクラーレンを見ても契約通りマクラーレンに移籍したって事実もロンにとっては重いかも…


ルノー
 まぁ、今年アロンソがチャンピオンとってブリアトーレが隠居でもすれば可能性はあるけど…ブリアトーレ=ルノーにはコバライネン等数名の若手も抱えているしバトンが動いてもブリアトーレの懐に影響ないからねぇ


トヨタ
 今のところ、今年の表彰台ゲットに貢献したラルフとツゥルーリで満足している。最近のトヨタV型エンジンのTVCMはツゥルーリメインで放映しているし、腐り易いといわれたラルフが今シーズン前半のツゥルーリの活躍の陰に隠れても腐らずシーズン後半に調子を上げて来た所からも二人とチームの関係は良さそう…さらに…ホンダでゴタゴタしたバトンをトヨタが欲しがるとはコマーシャル面からみても無いと思うなぁ(あるとすればホンダで駄目だった琢磨をトヨタで復活させた方が企業イメージは上がると思う…が失敗すれば虎の二の舞…)


更にバトンはチームプレーが出来ないことは今年証明してしまっている…作戦で燃料搭載量に差があって軽くなった琢磨がバトンを追い上げた際にチームから「琢磨はすぐにピットに入るから先に行かせろ」という指示を無視したことは世界中に放送されている。フェラーリに置き換えて琢磨=ルビーニョ、バトン=シューミと置き換えてもこの場合はシューはルビーニョに道を譲るだろう

と考えると、今後声をかけるチームはあるだろうか???バトンはBARでチャンピオンを獲る以外に未来は狭いなぁ…
(この点についてはGP内で仲の良いクルザード・ジャックが忠告していたようです…「契約を蔑ろにする事で、自分のイメージダウンから道を閉ざす可能性がある」という感じで…)


BARにしても、個人にそれだけの資金を投入するするならマシン開発にかけた方が…少なくとも、今回の件を喜ぶのはバトン・ファンだけの気がする…しかも、これではフェラーリのテスト日数協定無視もBARは責めれない気がするなぁ

イギリス・チームとしてもスポンサー等からイギリス人の必要性は今のBAR高いだろうか?
BATはいずれ消えるし、他に大口のスポンサーでイギリス必須度もそうでもないような…

どうも、BARのレース参戦のベクトルがあいまいな感じ…悪く言えばどっぷりと今のF1に馴染んでるのかも…たとえば、今年のスパ、トヨタのラルフがモントーヤを猛追し、それを打破する為にドライタイヤを選択するコンサバなギャンブル(変な表現だけど…ちょい濡れでドライってギャンブルは定番だから、こーゆー表現を使ってみました)。しかし、これは勝つ為のギャンブルだからOK!!。ラルフも自分も納得してドライを選択したってコメントしてますからね。これがBARに出来るだろうか…BARも序盤でドライにチェンジしたけどなんかギャンブルって程でもないし中途半端だった…去年、ルビーニョへの琢磨のアッタクを無線で「GO!!GO!!」と言ったチームではなくなってしまっているような


去年の2位狙いか優勝狙いかで意見の分かれたリチャーズを更迭して、今年はランキングより優勝を目指したはずが、序盤の躓きでチームの方針があやふやになってしまったみたい…去年、BARよりも苦戦したウィリアムズやマクラーレンが去年の内に優勝できたのと何処に差があるのか?単にリソース量の多さだけではないと思うけど。


実は私、怒られるかもしれないけどフィット以外のホンダ車ってあまり好きになれないんです…あくまでも私が好きにならないだけの話で、ホンダ車の性能や品質は素晴らしいと思うし、ホンダ車を買いたい人がいれば止めろとは言わない。


なぜかって言うと、NSXでもS2000でも「ホンダらしい車」というけど、成り立ちが違うような気がする。
昔のS8やシビックは「出来上がったらホンダらしい車が出来た」。最近のホンダ車は「ホンダらしい車を作ろうとしてホンダらしさを演出して作った」って差を感じるです。例外はフィット、これは作ってみたらホンダらしい車になったって感じを受ける。


なんか、BARの雰囲気と似ていると言うのは考えすぎ???


今回のバトンの件でも、故本田宗一郎氏ならどう思ったかをホンダのスタッフには考えてみて欲しい。時代錯誤って思われるかもしれないが本田宗一郎あってのホンダなのだから…かつてセナがホンダに寄せた信頼と今回のバトンの残留希望はまったく異質なものなのだから…(だから、本能的にそれを感じるオールドタイマーはこの問題で寂しくなってしまうのかもしれないな)


…いっそBARはチームのトップマネージャーにエディ・ジョーダンでも招いた方がいいんじゃないか???


フランク・ウィリアムズは日本があまり好きじゃないって噂だけど、来年からBSを履くことだし、思い切って琢磨を雇ってホンダ+バトンの前を走らせるってのも良いんじゃないかと…


まっ、最後の二つは妄想なんで…


後、念の為…BARホンダが琢磨を選ばなかった事は日本人として残念で憤りを感じていますが、今回のバトン残留とは別問題と考えております。