可変ウィング問題

今シーズン当初、フェラーリフロントウィングから端を発した可変ウィング問題。カナダから規制が厳しくなると言われていました。が、今回もホンダからBMWのウィングがおかしいとFIAに陳情があったりしたようです。結局カナダではFIABMWに再車検をおこない"白"と判定したようですが、ホンダやマクラーレンは、まだ異を唱えているそうです。

ロス・ブラウンに言わせると「規制しても規制の範囲で修正するだけでフレキシブル・ウィングが完全になくなる事は無い」というコメントもあったようです。

外国のF1誌では「もし、カナダでフェラーリが失速したら、それはフレキシブル・ウィングを失う為だ」と予測した記者もいるようです(実際には重タンで予選を走ったようで決勝は2位って事で、これの影響はわからないのですが)

まず、最近のF1で可変ウィングの問題が表面化したのは私の記憶では2000年のフェラーリだったと思います。

当時の問題は、マシンが直線で加速した時に風圧でステーそのものが後傾するという物で。他チームも追随します。レース等で距離を走るとステーが後傾前傾を繰り返します。そのため、取り付け部が疲労し走行中に破損して、リヤウィングをステーごと失いクラッシュするマシンも現れました。その為にFIAが規制します、その規制はリヤウィング前方から圧力をかけてある数値までにステーが動いてはいけないという物でした(ちょっと、数値は忘れちゃった)。

最近の可変ウィングは、ステーではなくウィングそのものが変形するというもので、問題はリヤだけではなくなっています。フラップの跳ね上げ部が寝る。フラップの前部がさがってメインウィングとのフラップの間の隙間を塞いで、高速走行時は2エレメントで構成されていたウィングが実質1枚になる。とか狡猾な物になっています。

前者に関してはウィングの取り付け部分の剛性をアップさせる事で対策しますがフラップ後部が弾性で変化するってのは今一規制しきれていないようです。
後者に関してはメインウィングとフラップの間にステー上のものをつけてフラップ前縁が下がらないように対策している筈なんですが、それでも、そのステーも実はある状態ではしなるような感じで。車検での計測方法では変形しないのに走行すると…って状態らしいですね。

まぁ、可変ウィング以前にもコックピット前のポッチやドライバー即頭部のパッド部分にダミープレートとか付けているマシンがほとんどって実情を考えるとレギュレーションよりもマシンの速さってチームの哲学はまだまだ変わらないんでしょうね…

私の予想では、フロントやリヤのウィングを規制しても、次はインダクション・ポッド部上についてるウィングが可変してリヤウィングに当る空気の流れそのものを変えるってのが出てきそうな気がしますが…