スーパーアグリ…SA06の期待値

最近、亜久里オーナーがSA06に対して「シルバーストーンで3秒UPしてくれないと(笑)」まぁ文末の(笑)って点があれですけど。

と思って英GPの決勝中のファステストで比較すると、琢磨のタイムを3秒アップでミッドランド、トロ・ロッソは越えレッド・ブルも越える。で、ホンダのバリチェロのタイムに接近するんです。

では、実際に今判っている範囲でSA06のタイムアップのポイントを考えて見ると…
(ブログや本館で「今のF1は部品単位で新しくしてもパッケージ全体の問題…」なんて訳知り顔で書いてる事に矛盾するかもと思うけど、まぁ、遊び感覚で試算してみました。)

1.ホンダの新型ミッションのシームレス
2.ホンダの新型ミッションでエンジンの搭載位置が本来の1インチ(約2.5cm)ダウン
3.ホンダの新型ミッションにあわせリヤのサスアッセンブリーもホンダと同じ最新の部品・構造
4.ホンダの新型ミッションで軽量化
5.ホンダの新型ミッションでの小型化にあわせ、リヤセクションの絞込み等の空力アップ
6.新製モノコックで軽量化・剛性アップ
7.リヤサスの構造変更に伴うフロントサスのモディファイ
8.モノコック・ミッションの軽量化でバラストによる重量バランスのセッティング可能

って感じかな。

1〜4に関してはネットや雑誌で1項目0.3〜0.5秒の短縮って数字を目にします。すると1−4で1.2〜2.0秒の短縮。でもって、5〜8は具体的な数字は出てないけどまとめて0.8〜1秒見込んでみると…

たしかに2〜3秒の短縮となるわけです。しかし、3秒ってのは予想の上限値ですし、下限値で考えたってやっぱ「獲らぬ狸の皮算用」なのですね…

それでも、オーナーと立場が違うせいかエンジニアリングのトップのプレストン氏は「約2秒の短縮を期待している」とやや現実的なコメントをしていますね。

先ほどの英GPだと2秒だとミッドランドの前でもトロ・ロッソは微妙なんですが、サーキットによってはもっと接近するとは思いますが…ただ、数字上の1周のタイム以外にもメリットはあるです。ついでに、もちっと語って見るです。


琢磨もモンタニューもBARやルノーのフロントランナーのマシンを知っている訳ですが、そんな二人が共通してコメントするSA05のインプレが「リヤが暴れる」「リヤが落ち着かない」って点です(まぁ、もちろん他にもあったのですが、二人が共通して毎回言ってる気がするんですよね)。このリヤが安定しない為に走行中にマシンがオーバーステアになったりアンダーステアになったりと不安定な状態で走行しているらしいです。


これは、もちろんエンジンのマウントを2.5cm上げている事が大きな原因の一つです。これが今回対策されれば、コーナリングが安定してタイムアップってのも無論ですが、これによってドライバーの疲労やタイヤライフへの好影響ってのも見逃せないポイントですね。


それとモノコック…結局はA23の設計はそのままらしいですが、作成技術や素材の進歩で剛性アップと軽量化(約20kg)が果たせ、ミッションの軽量化と併せてマシン単体でレギュレーションの最低重量を下回る事が可能のなったようです。これでバラストを使って各コースの特性に合わせた重量バランスのセッティングが出せるんです。


私的には、今年のマシンにおいてブランニューのモノコックじゃないのは逆に良かったんじゃないかと思います。基本設計が同じだから各部の特性などは慣れていると思うし。例によってシェィクダウンから実戦までのテストだってほとんど出来ない(というかフランス直前に2日間のテストでシェィクダウンとテストだそうで…)ならば焼き直しの方が障害が少ない気がします。


また、今年のトヨタTF106Bの話がヒントなんですが…TF106Bの目玉って、あのカエルの目玉(ププッ)ですよね。あれで、プッシュロッドのストロークを稼いで、アップライトの上下に対するダンパーやトーションバーの可動域を広げサスの入力がマイルドになりセッティング幅も広がるって奴。ただ、TF106Bにはも一つ大きな改良点があって、これは概観ではわからないのですが…マシンの前後の重量バランスを後ろにずらす。ってのがあったそうです。これは、昨シーズン終了後、タイヤをMIからBSにチェンジする際にBS側から提供されたデータの一つがマシンの重量バランスで、それまでのトヨタのマシンよりもかなり後が重心だったそうです。既に基本設計の上がっていたTF106ではバラストで対応してやっとって感だったそうです。シーズン序盤のリヤタイヤの発熱不足の一因だったのはと私は思っている訳です。


ということで、SA06もその辺の重量バランスを盛り込み済みではと思っています。


と考えて見るとタイムアップの数字は遊びとしても、SA06の投入でのネガティブな要素は少ない…っていうか、よほどでなければ今より悪くならないけど…不安要素があるとすればリヤサスの構造変更にチームが対応できるかってのと、テスト不足による新車の初期欠陥(ありえそうだ)やホンダのサポートの度合い(まぁ、本体があぁだから…)って点くらいですね。


で、最後にこれは私の期待…リヤのサスが構造ごと変わるので当然フロントもリヤとのバランスをとったモディファイがいるはず。この時、あのツインキールをちょっと小型化して欲しい…だってあまりに壁…直線では影響なくても横風とか結構受けるんじゃないかなぁ…


そそ、今頃SA06を出すって事は、一般的なチームのような来年の新車の準備も出来ない…まぁ、幸い来年は大きなレギュレーション変更は無いはずだから半年ずれのまま進んでマシンの学習しながらまったくの新車の作製ってことで良いかもね。(って08年はマシンの購入OKになるかもしれないが…)


ということで来年のマシン名はSA06改…日本生まれを象徴するならやっぱBとか/2じゃなく"改"で行って欲しい。SVEだってSV01の次は、あんだけ変わってもSV01改だったし…(両者の違いはウィングカーかどうかなのだが…どうもモノコックを共有ってのが改の理由のようだ…SVEのマシンの解説も没ネタにあった気がしたなぁ…)