ジェームス・ハントのエピソード

テスト走行中、二日酔いの為マシンをコース外に止めて、そのまま昼寝をしてしまったドライバーがいる。

1970年代終盤…当時はF1関係のパーティも多く催されていた。

そのパーティにも多くのドライバーが参加していた。マクラーレンのエース、ジェームス・ハントもガールフレンドを伴って参加し。パーティも盛り上がった頃、同じく参加していたフェラーリのエース、ニキ・ラウダは、ハントに「明日は合同テストがあるんだからあまり飲みすぎるなよ。」と忠告し先に帰る(ハントとラウダは親友だった)。ちなみに、この時ハントがラウダに「君だって飲んでるだろう?」と言うと、ラウダは「僕はジュースしか飲んでいない」と答えたらしい。
しかし、ハントは結局朝まで飲みつづけ、そのままパーティ会場から女の子同伴で直接空港へ向い合同テストのサーキットへと移動する(ちなみに朝同伴の女の子と昨夜同伴した子と別人)。

ハントがレーシングスーツに着替えた頃には既にテストは始まっていて、すでに周回を重ねたラウダはピットに戻ってきた。ハントはラウダに軽く手を振りマシンに乗り込み走り出す…が…ハントのマシンは何時になっても戻ってこない。

他のドライバーからハントのマシンがコースアウトしていた事を聞きラウダは何か有ったのかと慌ててオフィシャルカーでハントを探しにコースへ走り出し、すぐにハントのマシンを見つける。マシンはコースの外で止まっているが、ハントのヘルメットはうな垂れたまま動かない…

あせったラウダはハントのマシンへ駆け寄り、ハントを見ると目をつぶっている…。慌ててハントに声をかけるラウダ。すると、ハントは目を開けて、眠そうな声で…
「やっぱ、酔っ払ってマシンで走るのはきついから。ちょっと昼寝してた…」

ハントとラウダ、マクラーレンフェラーリでチャンピオンになる偉大な二人のドライバーのエピソード…時代だね〜。

荒い運転を批判されマーチを放り出されたハントを拾ったヘスケス卿。ヘスケス卿は宮殿に住む貴族。レース活動はあくまでも金持ち貴族の道楽程度だったのが、ハントに惚れ込み本格的にF1でのチーム活動を始める。体制が整いつつあるヘスケスで速さを見せるハントに、エマーソンの離脱で次のエースを探しているマクラーレンがオファーすると、ヘスケス卿がハントの背中を押してマクラーレン入りを進める。

いかにも英国紳士・英国貴族膳としたヘスケス卿と、手入れもしないロン毛で服装も無頓着なハントの組み合わせは面白かった。厳格な父と放蕩息子って感じで。

毎年恒例のモナコGPのマルボロ主催のパーティに、Tシャツとジーンズで参加する。
翌年、モナコGPでチームマネージャーのテディ・メイヤーに「今年はちゃんとタキシードを着てパーティに来い」と注意されるとタキシードを着てきたが足元は素足でテニスシューズの踵を踏み潰して現れる。本人は「靴まで注意されなかったから」(って、ここまできたらわざとだろう…)

ジムでのトレーニングが嫌いで、トレーニングの変わりにテニスとF3よりも下のカテゴリーのレースに参加する事だった(そのレースでハントはジル・ヴィルヌーブを見つけ、マクラーレンにジルの獲得を猛烈にプッシュし、実際にテストとスポット参加を実現させ、これがきっかけでジルはフェラーリのレギュラーシートを獲得し伝説のドライバーとなる)

ある女性レポーターがハントがどの位のプレイボーイかを試そうとモーションをかけるがハントがその女性を無視…カチンと来た女性レポーターは、ハントの事を「女性の扱い方を知らないドライバー」とコメント。その事をTVの中継中にインタビュアーに質問されると…「だって彼女の事をヴァー○ンだと思ったから」と仕返し…