マスダンパー…続報

未だにマスダンパーの決着は付いていないようですね。
どうもFIAサイドでマスダンパーが可動空力付加物かどうかって点で齟齬が生まれているようです。


ウェイトを動かして車体のロールやピッチングを押さえるってのが目的の装置です。
が、現代のF1ボディ下面での空気の流れを利用して発生するダウンフォースが大きなポイントになっています。その為、路面とボディ下面の関係が安定する事でダウンフォースも安定します。と言うわけで、バラストの移動=マシンの姿勢の安定=空力の安定、と解釈可能で、その場合に可動空力付加物と判断してOUTって事になります。

しかし、車体の姿勢が変わると、前後・左右のタイヤの角度が変わります。そうすると、タイヤの接地面も変わるのでダウンフォースを無視してもグリップが変化します。バラストの移動で車体の姿勢を抑制するのはタイヤの接地面の安定がメイン、しかも、装置がダンパーやプッシュロッドとリンクしていれば懸架装置の一部だと言い張ることも考えられます。この点をルノーはプッシュしマスダンパーをFIAに認めさせようとしているようです。


ただ、あまり逆らって今使用していても、結局禁止になって、使用レースをさかのぼってペナルティ取られたり、BARのコレクター・タンクみたいなことになったら困るから自粛していたようですが…ここに着てのフェラーリの追い上げに背に腹かえられない感じでしょうか?(それに、FIAが主導を取ろうとしているエンジン開発禁止はルノーFIA案賛成しているから、FIAもその関係であまり強いペナルティは出さないだろうって読みもあるのかもしれない)

ルノーは、「FIAにチクったのは、フェラーリマクラーレンに違いない…」って感触のようですが、マクラーレンは「ウチじゃねぇ」って意思表示しているそうです。


そそ、「マスダンパー」って名前の意味がわからんってカキコをどっかで見た気がします。
マスってのは集まりって意味ですが、重心とかそんな感じで使う言葉、良くマシンの部品で重い物を中心から離れた部分につけて重量のある物が重心から離れた部分に存在する事を「マスの分散化」という表現で問題視する事があります。
で、ダンパーっていうと、普段はサスの部品を思い浮かべてごっちゃになりますが、この場合、ダンパーを緩衝装置って置き換えるとわかりやすいのでは??
と言う事で「マシンの姿勢変化で重心位置が変わってしまう事を和らげる装置」って解釈になると思います。