BMWザウバー、ジャック交代…現代F1の危険性

ドイツGPでのクラッシュで体調を崩し、ハンガリーではクビカと交代となったジャック。
当初はニックを突付いてしまった事での更迭説が流れたのですか、チームはそれを打ち消すように体調不良のコメントを出しています。

まぁ、更迭半分、体調不良半分、ついでにクビカの本番テストって感じなのかなぁ

ただ、BAR時代にもシート消失経験があり、ザウバー時代の契約が強くBMW残留を果した経緯から考えると、現ジャックの契約が簡単に更迭できそうなものではないと推測できると、根本の理由はやっぱ体調不良なのかなって気がします。

さて、今回のジャックのように、怪我はないけど体調不良ってパターンは、ここ数年のクラッシュで増えてきているような気がしませんか…ここ数年ニックやラルフ、休まなくてもクルザードが一週間眩暈が続いたなんて事もありました。ちょっと前に、この点に○ッ○が気付いて、どうしてと私に尋ねたことがあったので、そのときの私の答えを書いています。

年々安全性を高めているF1、特に82年と94年が安全性UPの契機になっています。しかし、フォーミューラーの構造上、安全性=剛性のUPが先に立ち、衝撃吸収と言う点では弱いんですよね…
一般の自動車もモノコックですが、一般車にはフェンダーやボンネット、トランクがあります。これが、車が何かに衝突した時に潰れる事で衝撃を吸収してくれて緩衝材の役目を果してくれるます。このような部分をクラッシャブル・ストラクチャーと呼んでいます。
F1はモノコックシャシーであり、後部はエンジン・ミッション=シャシーなので、つぶれて衝撃を吸収するような部位が殆どありません、せめてノーズとリヤウィングがなんとかその役割をするかどうかって感じです。これは、レギュレーションでどうこう言ってもタイヤ剥き出しのフォーミュラーの構造的にどうしようもないんですね…

また、サスペンションのアーム類もクラッシャブル・ストラクチャーと見なせなくもないのですが、今のF1のアームはカーボンで出来ているために、ある衝撃まではそのまま、それを超えると粉砕されるので鉄製のアームのように折れ曲がってエネルギーが吸収拡散って役目は期待できません…じゃ、安全の為にアームを鉄製にって考えてもF1の強大なダウンフォースとGを考えるとやっぱカーボンじゃないとって気もします。

でも、モノコックの剛性がアップした事で、昔のようにモノコックがつぶれてドライバーの足や手が潰されるって事はなくなり、コックピットやシートも工夫されてクラッシュしたマシンが変形しドライバーを救出できないって事もなくなりました。

が、潰れる等の変形でエネルギーを吸収する部分がないと言う事で、モノコックが受けた衝撃はそのままモノコック内側に伝達されてしまいます。モノコックの内側…すなわちドライバーですね…

そのために、高速のクラッシュでの骨折などの怪我が少なくなっても、内臓や神経、脳に衝撃が伝わって、目に見えた疾患はなくても体調が悪い…眩暈や頭痛が続くって事が多くなっています。

まぁ、手足を失うよりは…って事もありますが、目に見えない障害も怖いですよね

じゃあ、どうしろっていわれても…各チーム、シートなどにわずかに工夫しています…一般車に多いエアバックはF1クラスのマシンではちと危険な場合もあるので採用できない…うーーん、難しいなぁ