6秒の壁

さて、やっとシーズン開幕。

今年は2.4V8化でトロロッソ以外は全て新エンジン…
以前ターボ禁止の時には一部のNAは先行エントリしていたから、ここまでのブランニューエンジンが揃うのは史上初でしょうね。

まぁ、開幕前の下馬評では、ルノー・ホンダ・マクラーレンフェラーリトヨタって感じだけど、はっきり言って走って見ないと判らない。ひょっとしたら順位のフルーツ・バスケットって可能性もあって、例年よりもさらに興味深いシーズンインって感じ。


さらに今年はスーパーアグリの参戦があって日本は勿論、日本以外でも注目点のようです。
海外の注目点は「128日で準備されたチームがまともにレースができるのか」って感じで、日本のように「日本代表頑張れ」ってのとはトーンの違いがあるようですが…

さて、そのスーパーアグリのSA05、初走行のタイムはトップから約6秒…


今日のネットでサーフするといろいろなサイトで「出遅れ」とか「現実に直面」とかネガティブな論調のものと「とりあえずスタート」っていう希望的な論調の二極分化しているようです。もっとも「現実に直面」したのはマスコミであって、SAF1やファンにしてみればここに来る以前に十分予想していた現実。ショックをうけたのはおきらくに日本代表のF1チームだから応援するだけの現実を知らないマスコミだけ…知ってるマスコミやファンは驚きに値しない、これによって応援するしないが変わる要素にはなりえない訳です。で、批判めいた論調のニュース(主に新聞系)にはちょっと癇に障るものが有りました。


で、この6秒をどう考えるか…


プレシーズンでの初走行のテストではトップからのタイム差は13〜9秒、これはシェィクダウンとしてそんなもんかなってタイムだけど、その時のSA05の空力は昔のまま…フロントウィングは5cm低く、リヤウィングの位置も後で、しかもエレメントが3枚…ディメンジョン上では今のマシンよりも有利。


という訳で、空力パッケージを現レギュレーション対応するとタイムは落ちる…ここでポイントは、当時よりも空力デザインの進化…ウィング形状やサイドポンツーンのデザインで取り戻し分でいくらかは取り戻せる。9秒からレギュレーション対応で1・2秒へってトレンド対応で1秒位取り戻し、ある程度セッティングが進めば2秒位は縮む。とすると6秒くらいとなるわけですねぇ…含む結果論ですが(^^;


と、考えると初走行の琢磨の6秒はまぁまぁ予定の範囲かなって感じ。とりあえず、ぎりぎり107%以内…井出のタイムは初F1、初バーレーン、しかも06年空力パッケージでのレーシング走行もほとんど初めて・・・そしてマシンの不調から考えて、琢磨とタイム差はまだ判断基準にならないかな。


ただ、A23の素性の良さとホンダパワーと琢磨の頑張りで1.5秒くらいのサプライズ…すなわちミッドランドを喰うくらいしてくれないかなぁと妄想した事もありますが。考えて見れば、ミッドランドでさえ、プレシーズンテストはジョーダンの終盤の頃より


まぁ、この考え方は甘いって人も多いかもしれない…でも、現代F1の中でバックヤード時代の香りをプンプンさせた日本チームって考えるとワクワクするんですよねぇ。


さてちょっと焦点を変えてみる。ここである考え方がある…一応ホンダからSAF1に対してのエンジンは有償リースとリリースされているけど、はっきりいくらかわかんない。そして、どのチームもエンジンのマイレージは稼ぎたいが、2レース1エンジンルールは生きているから思いっきり回せない…。エンジンを回しすぎor走行距離過多でエンジンが壊れれば10グリッド罰退。


そして、ここに10グリッド罰退が関係ないチームがある…少なくともSA05使用中ならSAF1がテールエンドに定着していてもだれも責めない。という事はエンジン壊しても影響がない!!だって、それ以上グリッドは下がらない(下がるとすれば他チームの罰退などはありえるくらい)


これは、ホンダにとって大きい…もっとも今年は3rdカーが使えるホンダだが、それはセットアップ用に集中できて、エンジン・テスト的にSAF1の価値がおおきくなる。


トヨタ=ミッドランドも同じかというと、そうでもない…コチラはSAF=ホンダよりはドライな関係であり、ミッドランドは万が一SAF1よりも下位になるとTV放映権等の分配金が大きく減ってしまうのでギャンブルはできない。


ちなみに、ちょっと横道にそれるけど、レッドブルフェラーリは既にレッドブルフェラーリのテストベッドにされた感はあるなぁ。というのは、なんかフェラーリレッドブルにV8エンジンを引き渡した時期が早いんだよね。で、もともと排気量・気筒数が2割減だから、単純計算で発熱も2割減と考えたレッドブルは予想以上に発熱したフェラーリエンジンのクーリングに苦しむ事になった。
これって、フェラーリがまずレッドブルにエンジンを渡し実走行の様子を伺ったと考えられないだろうか?
248Fはデビュー時には既に異常に厚いラジエターを装備してその為に抜けの悪さで苦労していたとニュースがあったのですが、この「厚いラジエター」は、レッドブルの反映から急遽採用されたのでは?と、思うわけですよ。


と話が逸れましたが…。っていうか閑話休題


よく、SAF1はホンダの琢磨解雇批判をかわす為といわれていますが、それはそれもあると思うのですが、やはり、そのためだけに巨額の費用は掛けれない、やはりBチームとして機能させたい。しかし、日本人の性格でただでさえ琢磨問題もあったのにBチームモロだとやはり嫌悪感を抱かれる可能性もある…だからSAF1オールジャパンってイメージを前面にだし、ホンダはサポートって立場を強くプッシュしているのでは…


ただ、こう書いていると非難っぽくなっちゃっているけど、今回のホンダ・SAFに関しては私は賛成…ミナルディがなくなった今…ペイドライバーや他の紐付きじゃないと新人がデビューしにくい世の中で日本人がデビューできる道ができた。そして大メーカーの札束合戦じゃないチームが存続できるかもって期待は大いなる物ですよね。