オレンジ・マクラーレン

新しいマクラーレンのマシンですが、どうもプレシーズン・テストの間はオレンジ一色になるようです。
実はマクラーレンのイメージカラーってオレンジなんです。


これは今回が初めてじゃなく、1987年にメイン・スポンサーがそれまでのマルボロからWESTに替った際も正式な新車のラウンチまではオレンジで走らせていました。


これ↓



という事で、2006年のマクラーレンのカラーリングがWESTのイメージが強い今の銀/黒から大きく変わるのではと推測されています。しかし、ボーダフォンとは2007年からなので、今年はWESTカラーかと思っていたのですが…ジョニ黒になるのかな…


ちなみに、今回のマシンは、全体的に丸い上にMP4/12よりも黒文字が多くて、ちょっとアローズを思い出しました。


でも、このような時にマシンをオレンジに塗るあたりロン・デニスのチームへの思いが伝わるようで嬉しいですね。


…という事で…ちょっと説明

チーム創設者の故ブルース・マクラーレンが自らハンドルを握っていた時はオレンジだったんです。正確にはマクラーレンニュージーランド人でニュージーランドのナショナルカラーがオレンジ、また、当時スポンサードしていたガルフのコーポレートカラーも当時はオレンジだったのでチームカラーではないという説もあり、私はイメージカラーと表現してみました。でも、ガルフはその後、ル・マン等でポルシェ、フォードの薄いブルーにオレンジの太いラインが定着。マクラーレンもF1(といってもフォーミュラーではなくスーパーカーの方ね)でル・マン参戦したマシンにブルー(紺の時ともろ水色の時があった)にオレンジのガルフ・カラーのマシンを走らせていた事も有ります。


自らチームのオーナー兼ドライバーとなったマクラーレンですが、チームの設立もまもなくCAN-AMマシンのテスト中の事故で急逝してしまいます。


その意思を継いだのが、マクラーレンの友人テディ・メイヤーです。テディは、徐々にチームを軌道に乗せていき。70年代に名車M26を世に出します。M26はそれ以前の楕円断面のF1から革新的な進化を遂げたロータス72の路線のマシンですが、当時のレベルでは基本設計がしっかりしていたので数シーズンを戦い、エマーソンとハントの二人がチャンピオンを獲得。また、この頃からメインスポンサーのマルボロ・カラーでイメージも確立しました。


しかし、テディはすでにおじいちゃん…チーム内では次のボスにふさわしい人間がなく、チームを引き受ける人間を外から探す事になりました。


ロン・デニスは当時デザイナーのジョン・バーナードらと4人でプロジェクト4というチームでF2に参戦していましなかなかの結果を出していました(しかし、どうも「エリア88」世代にはプロジェクト4ってイメージ最悪なんだよね〜)。その様子からテディはロンのチーム運営に注目しマクラーレンのボスにならないかと誘います。


この誘いに対してのロンの答えは「プロジェクト4とマクラーレンの合併ならばOK。但し、チーム名はそのままマクラーレンとする」でした。そうしてロンはマクラーレンのボスになり今日に至るのでした。


という事で、マクラーレンのマシンのMP4/XXのMP4ってマクラーレン+プロジェクト4からで。当時、一部のファンはMP4、MP4/2と枝版が増えたのはマシンの大きな変更がないからでいづれMP5になるって思った人も多いはず。っていうか私ですけど…