フェラーリの方針

ロス・ブラウンからのコメントがあちこちで流れていますね。要約すると、今シーズンのF2005の開発のプライオリティをさげ、来年用のマシン開発に比重をシフトし、早い段階で来年用のV8ハイブリットマシンを走行させ来年1月には新車によるテストを始める。…要は「今年を諦めて、来年の準備を始める」って事です。

実は、これと同じ事をやっていたのはルノージャガー(現レッドブル)で、両チームともそのせいか昨シーズンを大きく上回る成績を上げています。

ルノーは、BARに抜かれた時点で諦めて、方針をかえたのですが…実際はヤルノとブリアトーレの確執でヤルノの成績が落ち分BARに抜かれたって事も…それでも、結果は今年の成績を見れば説明不要ですね。

ジャガーは、今年のフェラーリや昨年のルノーのようなコメントはなかったのですが、昨年の最終2GPのウェバーのマシンのモノコックは、それまでとは違い今年用のモノコックの要素を盛込んだ試作品で、ある意味ハイブリット・マシンともいえるマシンとしていたんです。…ただ、日本GPだったかな…バルクヘッドあたりからエンジンの熱気がコックピットに入り込みドライバーのウェバーは熱さで走行不能になりましたが…。しかし、それが今年の成績の安定に貢献したと考えるのは説得力があると思います。

さらに、成績の上昇率ではこの2チームを上回るトヨタですが、トヨタは昨年Bスペックマシンを作り、シーズン中のマシンの向上を目指さしたとなっていますが、実はBスペックマシンは、もちろん性能向上も含んでいますが、主眼は各種シミュレーションと実走行の誤差を少なくするマシン作りも大きな目標とされていたようです。それが上手くいって、今年のマシンはシミュレーションの結果をマシンに反映させても予想に近い結果が得られて開発の無駄が少なくなった事が、今年の活躍の理由と推察されます。

さて、対してフェラーリは、昨年のF2004があまりにも強く、シーズン中の大きな開発をしなくても他チームがなかなか追いついてこない状態だった為、ロス・ブラウンが「今年のマシン開発はコースに対応する為のモディファイ程度で、チームの開発の中心は来年用のマシンに移行する」とコメントしていまた。これって、立場や理由は逆だけど同じ意味ですよね…