ヨーロッパGP

フラット・スポットでアレだけの振動を起したマシンでペース・ダウンもしくはタイヤ交換で作戦をポイント獲得に変更しなかったマクラーレン・チームを非難する事は簡単ですが…走っているライコネン自体もトップのまま完走できる可能性がある以上右足は緩めない。それがレーサーって人種だと思うんです。

サンマリノだったかな。アンクル・デイブもフラット・スポットで激しい振動のままドライブ、視界も異常なためブレーキングも周囲の風景の色を頼りに行って、その後一週間程、視界の異常や頭痛が残ったとコメントしていました(多少大袈裟な表現かも知れないけど、実際にひどい振動があったのは確かなようです)。

今回は、単独のスピンだった事が不幸中の幸いですが…それでも、バトンに対して間一髪だったし、もし、アレがアロンソが追いついてから起きていたら…

タイヤの本数だって少ない方が経費・資源の節約になるのは確かかも知れませんが、例えば、タイヤのテスト、新しいタイヤをテストする為にはそのタイヤでレース・ディスタンスを走りきらねばならず、テストでのタイヤの仕様本数は減っても逆にテスト走行のマイレージは上がっているようです。だから、タイヤで経費が削減できても、テストのマイレージUP分経費がかさむので「行って来い」って感じじゃないでしょうか???
新しいタイヤを3種類作り、テストコースの70周がレース相当とすれば、3種類のテスト評価のために最低210周必要になります、今までなら1種類につき20〜35周程度で評価できましたからねぇ。(だから、まともテストチームが機能するのがフェラーリだけのブリヂストンサイドのフェラーリは協定を無視してテストし続けているんですね…)

確かにタイヤ交換はしても良いレギュレーションではあるのですが…それが不利になるのならしないのがレースでは当たり前の事です。サンマリノのデビットや今回のライコネンの件を踏まえて、何らかの対応は欲しいですね。仮にクラッシュがなくてもアレだけの振動のまま走らすのはドライバーの健康面で問題があると思うのですが…

とりあえずは、レース・スタートは新品、レース中のタイヤ交換1回は給油中でもOK、2回目以降は給油とは別ってのが安全面でも良いんじゃないかな?
普通に考えれば、今回のような異常に備えてタイヤ交換は最後のピットまで、取っておくって感じかも知れないけど、例えば、2回ピットなら軽タンスタートなら2回目で、重タンでロングスティントなら1回目とか作戦も幅が出るし、超重タン1Stopってギャンブルもありそう…とりあえず、一般的にタイヤは消耗品だから…安全面を優先しても良さそうだけど。

とりあえず、FIAのレギュレーション設定に対して、あまりにもドライバーの声が反映されなさ過ぎますね…

さて、レース自体の感想は…

序盤・終盤の波乱で見所も多いレースとなりましたが、やはり今回の注目はアンクル・デイブ(私は、すっかりこの呼び方が気に入ってるらしい)、デビット・クルザードですね…最近富に燻し銀振りを発揮していますが、今回もしっかりと4位、しかも、ピットレーン速度違反がなければ、2位も不可能では無い結果でした。レースでタラレバは無意味と知りつつも…。しかし、優勝経験があるデビットでもレッド・ブルでポディウムが見えると、こんなミスもしちゃうんだね〜。ちなみに、モナコGPマクラーレンのスタッフは今年もデビット所有のホテルを利用したそうな…「彼らは上客だよ、なんたってバーをたっぷり利用してくれるからね」…だそうです(^^;

トヨタ
ヤルノはどうもスターターの不調が原因でグリッドでもたついたようです…スペアのスターターを取りにいっている間にシグナルが開始しちゃったんだって…きっと次から最初からスペアを準備してくれるでしょう。
好事魔多し、去年のBARもイギリス・フランスあたりで一度失速したから、ここを乗り越えると光が増すのかな?
ラルフは空回りしているんで、そのうち腐り始めるかと思ったんだけど、チーム内でもヤルノからも評判がよく一目置かれているみたいで、腐らずに済んでいるみたい。テスト時のピットで待つエンジニアの配置とかでもラルフのアドバイスが効いていて、何より効率を求めるトヨタガスコインも参考になって入るようです。

◎ウィリアムズ
クイック・ニック、うーーん、安定してきたね〜。ただ、相変わらずウィリアムズのクラッチ・システムがスタート時に弱いのが…。
しかし、対するウェバーは今回のスタート時の混乱のきっかけの一つが彼のブレーキタイミングみたいだし…ちょっとヤバ目??

◎BAR
F1では、使用燃料や使用ソフトウェアなど、ランダムなチームに対して抜き打ち検査をかける事はレギュレーションで決められているけど、今回そのほとんどをBARに対して行い、マスコミ・ライバルチームからもFIAにたいして非難的な声は出ているようですが、残念ながら公的なコメントとしては出ていませんね…出せば次の標的になるから…前回のレースでもフリーの危険行為としてモントーヤがペナルティを受けてもアロンソのショートカットは触れずじまい…時代遅れのヨーロッパ至上主義が始まったのでない事を祈りたいけど。。。
とりあえず、私的には今回のBARは次レースの予選走行順位を遅らせれるだけてOKって感じでした…

マクラーレン
やっぱ、安定して速くなってますね〜今回は運がなかった…ここでもライコネンが勝てば今年はライコネンかもと思ったのですが…

ルノー
前回リヤタイヤがズルズルになった事の見事なリベンジでした。ここでのアロンソ優勝でチャンピオンもグッと現実味を帯びてきた気がしますね。これからマクラーレンの他にウィリアムズも上がったきたし、トヨタフェラーリも上がって来て乱戦になってもここまでの貯金が物を言いますからねぇ
ところで、誰か早くフィジコ・スイッチをOFFにして上げて下さい(T_T)